切除不能大腸癌肝転移に対するconversion chemotherapy

摘要

大腸癌肝転移（CRLM)に対する肝切除は根治的な 治療法であるが，診断時切除可能例は約15?20%と 低率である.一方，大腸癌に対する化学療法+分 子標的治療の普及はめざましく ，最新の大腸癌治療ガ ィドライン医師用2014年版では，化学療法としては FOLFOX (CapeOX), FOLFIRIにFOLFOXIRIが 加えられ，分子標的治療薬に関してもベバシズマブ， 抗EGFR抗体薬（セツキシマブ，パニツムマブ)，レ ゴラフエ二ブが使用可能となつた.しかし化学療法 +分子標的治療単独でのCRLMの根治は極めて難し く ，組織学的なcomplete response率や5年生存率は ともに10%以下である.それに対してconversion chemotherapyにより切除可能となつた症例の良好な予後が報告されている.