高齢化社会における排尿障害の現状

摘要

2014年現在，本邦における平均寿命は男性 80.50歳，女性86.83歳まで延びており，65歳以 上の老齢人口が25.9%を占め，世界的にみても 有数の長寿国となっている。高齢者人口の増加 に伴い高齢者医療の重要性は年々高まっている が排尿障害も例外ではなく， 2013年に日本で行 われた疫学調査によると60歳以上では78%の方 力S何らかの排尿に関する症状を有することが示 されている。例えば，夜間頻尿の罹患者は4,500 万人，昼間頻尿の罹患者は3，300万人と極めて 多く，また尿失禁については現在の罹患者は約 600万人，10年後には1,000万人に達すると推計 されている。本稿では高齢社会における排尿障 害の現状について概説する。