肺炎の治療中にダントロレン中止により悪性症候群を発症したと考えられた頸髄損傷の1例

摘要

悪性症候群は，向精神薬での治療中やパーキンソン病治療薬の中断によって引き起こされることが知られている"_6)。我々は，肺炎の治療中にダントロレンを中止したことで悪性症候群を発症したと考えられた症例を経験したので報告する。現病歴：類髄損傷のため施設に入所していた。平成20年8月の入所前からダントロレンを投与されていた。平成22年1月，入院前日より37°C台の発熱があった。入院前日の夕食は摂取し，内服もできていた。同日夜には体温が40°Cに達した。夜間急病センターを受診したところ，急性腎盂腎炎を疑われて補液，抗菌薬（セフォチアム，CTM)の投与を受けた。