二期的な脾動脈塞栓術と 脾臓摘出術にて救命しえた 非外傷性脾血管腫破裂の1例

摘要

脾破裂は外傷性と非外傷性に分けられるが，非外傷性脾破裂(Atraumatic splenic rupture ：以下， ASR)は脾破裂全体の1%未満と非常に稀であ る。ASRの原因としては，脾腫瘍，血液凝固異 常，感染症などが挙げられる。外傷性脾破裂症 例の治療は可能な限り脾臓を温存するのが原則で あり，TAEを含めた脾温存療法が積極的に施行 されているが， ASRは極めて稀であるため治療 法は確立されていない。今回我々はTAEと手術 による二期的な治療によつて救命しえた非外傷性 脾血管腫破裂の1例を経験した。文献的考察を含 めて報告する。