2型糖尿病患者における 尿中8-OHdGと血糖コントロールとの関連について

摘要

2型糖尿病患者において酸化ストレスが亢進す ることを示唆する多くの報告がなされており， 心血管疾患，腎症，網膜症及び神経障害と 密接に関連することも知られている。糖尿病にお いて酸化ストレスが亢進するメカニズムとしては 高血糖に基づく細小血管内皮細胞のミトコンドリ ァによる活性酸素の過剰産生，高血糖により活 性化されるプロティンキナーゼC (PKC)が,血 管内皮細胞におけるNADPHォキシダーゼの酵素 活性を高めること等が挙げられる。酸化ストレ スの亢進は血管内皮細胞からのNO産生低下ゃ不 活性化，血管構成細胞や単球，血小板等の活性化， 炎症性サイトカインゃ増殖因子の分泌促進等を引 き起こし，糖尿病の大血管及び細小血管障害の進 展に関連しているものと考えられる。