生活習慣病外来患者における生活習慣改善プログラム「ペ一スプラス」の早期効果について

摘要

生活習慣病とは，「食習慣，運動習慣，休養，喫煙，飲酒などの生活習慣が，その発症?進行に関与する症候群」と定義されている。 その疾患群は，インスリン非依存性糖尿病，高血圧，高脂血症，肥満，高尿酸血症，喫煙などであり，我が国の3大死因の悪性新生物，心疾患や脳血管疾患を引き起こすものである。 生活習慣（ライフスタイル）の改善は，それらの予防と進行の防止に欠かせないものである。 近年，生活習慣病は，増加の一途をたどっており，その予防や管理の重要性は，学会のみならず厚生行政や社会からも注目されている。 そこで今回，糖尿病，高血圧，高脂血症を有する生括習慣病外来患者を対象に，生活習慣改善プログラム「ぺ－スプラス」（Patient－Centered Assessment and Counseling for Exercise plus nutrition in Japan（PACE＋Japan），オムロン社製）による介入試験を実施し，1）生活習慣病患者の食事や運動習慣が改善するか，2）患者の血圧，生化学デー夕が改善するか，3）患者，医療スタッフのこのプログラムに対する評価（満足度，使い易さなど）はどうか，4）本プログラムの改善すべきポイントの検証を目的とした。 また，この「ぺ－スプラス」（行動科学に基づくアプローチ）による患者指導は，従来型の指導に比べて患者の行動変容に対して効果が大きいことが期待され，その研究の意義は非常に大きいと思われる。 尚，本研究の生活習慣改善プログラムの実施期間は24週間であるが，その有用性が早期（4週後）に既に認められたことから，早期効果をここに報告する。