早期肝細胞がh（肝がh）の形態病理-国際基準を中心に-

摘要

最近，早期肝がhの国際的診断基準が確立した.早期肝がhは肉眼的に被膜を有さず，境界不明瞭型を呈し，腫瘤内に種々の程度に門脈域を含み，均一な高分化型肝がhで構成される.腫瘍内にKupffer細胞の介在を伴い，高頻度に脂肪化を伴う.異型結節との鑑別には間質浸潤の有無が参考となる.基本的には，乏血性腫瘤でその約90%が2 cm以下であり，脈管侵襲や肝内転移は見られず，治療で断端が確保されれば臨床的に予後が良い.