序論

摘要

脳は極めて高度に血流に依存した臓器である.脳の重量は体重の2?3%にすぎない が,消費する脳血流量は心拍出量の実に15% に及び，エネルギー代謝では全身の20%を 占めている.脳血流が正常の20%以下に低 下すると，神経細胞は4分間程度しか生存を 維持できず，4分間の短時間虚血であっても 遅発性神経細胞壊死や選択的神経細胞死にお ちいる.これに対して，軽度の脳血流低下 (正常値の50?80%程度）では，短時間であ れば神経細胞は機能を維持する.