自己免疫疾患の遺伝子学

摘要

自己免疫疾患は複数の遺伝,環境要因の集積により発症する多因子疾患のため,その感受性を規定する遺伝子の同定は困難であった.従来の候補遺伝子アプローチではヒト白血球抗原(HLA)以外に再現性のある成績はほとhどなく,疾患多発家系を用いた連鎖解析も期待はずれの結果に終った.近年,ヒトの全遺伝子配列の解読および解析技術の進歩により,ゲノムワイドな多型マーカーを用いた網羅的な位置的アプローチが可能となった.現在多くのプロジェクトが進行中で,今後の成果が期待される.