骨粗鬆症性椎体骨折後遷延治癒に対する椎体採取 骨髄血と一軸連通孔ハイドロキシァパタイ卜 顆粒を用いた椎体形成術の試み

摘要

保存的治療抵抗性の骨粗鬆症性椎体骨折後遷延治癒ま たは偽関節に対し，比較的低侵襲な手術方法として後方 から経椎弓根的に人工骨や骨セメントを用いた椎体形成 術を行い，さらに椎弓根スクリユー固定法を併用する方 法による報告が散見される.われわれはこれまで椎体 形成術に原則として自家腸骨を利用した手術を行ってき た.自家骨は本疾患に対する理想的な骨補塡材であると考えるが，骨粗鬆症の高齢患者から採取できる自家骨の量と質には限界があること，別皮膚切開が必要である こと，採骨に時間を要すること，また採骨部痛や上殿皮 神経障害の可能性があることなど，自家腸骨採取にはさ まざまな問題がある.