関節リウマチの人工股関節全置換術におけるnon-rasping, non-broaching impaction手技によるステム固定

摘要

関節リウマチ(RA)の人工股関節全置換術(THA)では大腿骨近位部の骨量低下と髄腔拡大を示す例が多く,術前計画でステムの選択や固定法に苦慮することがしばしばある.大腿骨髄腔が広い症例では，比較的大きなサイズのステムを選択せざるをえない.セメントレスステムを選択した場合，大きなサイズのステムでも適正な髄腔占拠率が得られないことがある.一方，セメントステムを選択した場合，髄腔が特に広い例では大きなサイズのステムを選択してもまだ周囲の骨髄部分が多く残り，第三世代のセメントテクニックを使用して，セメントマントルを十分にとっても髄腔がセメントで完全に満たされる，いわゆるwhite outの状態にならない場合もあり，インプラントの長期固定性に不安が残る(図1).