リゥマチ性疾患の診療上のポィン卜-特に関節所見のとり方と特異的な皮膚病変について

摘要

全身の筋骨格系になhらかの異状をきたすリゥマチ性疾患の頻度はきわめて高いものであるが，整形外科外来を訪れる患者のほとhどの訴えは関節·筋肉などといつた局所の疼痛，ないしは腫れであろう.したがって検者はその罹患部位が関節に限局するものか，はたまた関節周囲組織である筋肉，筋膜，腱，腱鞘，あるいは神経そのものかなどといった部位の鑑別診断を精細にとり行うことが何よりも求められる.常日頃から局所の「触診」を心がけて，手指尖の感覚を研ぎ澄ましておくとともに，局所解剖の知識を絶えずリフレツシュしておくことが大切なのであるが，こういった修練を怠って，すぐ安易な画像診断にすぐ走る傾向がよく見受けられるのは嘆かわしいことである.