開腹既往胆石症に対する腹腔鏡下胆嚢摘出術をこおける肝円索吊り上げの一工夫

摘要

鏡視下手術は導入後急速に普及し,現在ではその手術適応も拡大されてきている.開腹術の既往症例においても,手術手技の工夫や手術器具の改良により,腹腔鏡下手術が行われるようになってきた.しかし,癒着剥離が困難な症例では,開腹移行を余儀なくされることもある.今回,腹腔鏡下胆嚢摘出術(LC)において肝円索の吊り上げが,汎発性腹膜炎術後の癒着剥離および胆嚢勁部の視野展開に有用であった症例を経験したので,手術手技の実際を含め報告する.