小児鼠径ヘルニアの手術 - 小児と成人のヘルニア手術の違い-

摘要

小児の鼠径ヘルニアは日常臨床のなかで,小児外科ではもちろhのこと,一般外科診療においてもしばしば遭遇する疾患である。 小児鼠径ヘルニアの発生頻度は1-4%と報告されており,そのほとhどが外鼠径ヘルニアであるが,小児と成人のヘルニア手術の違いは,成人の鼠径ヘルニア手術がヘルニア嚢の結紥·切離と腹壁の補強であるのに対し,小児ではヘルニア嚢を腹膜前脂肪織の見える十分高位で結紥·切離するのみで,腹壁の補強は行わないことにある。 それゆえ,現在,成人鼠径ヘルニア手術で広く行われているさまざまなtensionfree術式に用いられている人工メッシュは小児に対し用いられることはない。