下りリンクVSF-OFCDMブロードバンドパケット無線アクセスにおける100 Mbpsを超える適応変復調·チャネル符号化の屋外実験結果

摘要

本稿では，試作した周波数帯域幅101.5M HzのVSF－OFCDM (Variable Spreading Factor－Orthogonal Frequency and Code Division Multiplexing)実験装置により，0.5m secのパケットフレーム毎に測定した瞬時受信信号電力対干渉および雑音電力比(SINR: Signal－to－Interference plus Noise power Ratio)に応じてQPSK, 16QAM, 64QAMデータ変調およびターボ符号化を用いた適応変復調·チャネル符号化(AMC: Adaptive Modulation and channel Coding)を行った場合の，屋外実伝搬環境におけるスループット特性を明らかにする．屋外実験において，基地局は，アンテナ高50mの1送信アンテナを用いて120度セクタビーム送信を行い，移動局は，基地局から800－1000m程度離れたほぼ見通し外の環境である測定コースを，平均時速30 km/hで走行した．屋外実験結果より，非常に多くのマルチパスが観測されるマルチパスフェージングチャネルにおいても，シャドウイング変動，残留瞬時フェージング変動に起因する瞬時受信SINRに応じたAMCの適応レート制御によるスループットの増大が有効であり，アンテナダイバーシテ受信を用いた場合，スループット100, 200, 300M bpsをそれぞれ平均受信SNRが6.0, 14.0, 20.0 dBで実現できることを示した．