下りリンクVSF-OFCDMブロードバンド無線アクセスにおけるRT型トラヒツクに対する適応変復調·チャネル符号化適用時のIPパケット伝送特性の実験結果

摘要

本報告では，下りリンクVSF-OFCDM（Variable Spreading Factor-Orthogonal Frequency and Code Division Multiplexing）無線アクセスにおいて遅延時間の要求条件の厳しい実時間（RT:Real Time）型トラヒツクを対象として，適応変復調·チャネル符号化（AMC：Adaptive Modulation and channel Coding）およびMAC（Medium Access Control）レイヤのパケット合成型ハイブリッドARQを用いる，100MHz周波数帯域幅のマルチパスフェージングチャネルを含めた無線アクセスネットワーク区間のIPパケットのロスレート（PLR：Packet Loss Rate）および物理チャネルのコード使用率を実験的に評価した．実験結果より，IPパケットの情報レートが24Mbps，パケットサイズが1500バイトを仮定したRT型トラヒツクに対して，平均PLR＝10{sup}(-3)以下を実現できる平均受信E{sub}s/N{sub}0（情報1シンボル当たリの信号電力対背景雑音電力密度比）が1dB以上の領域においてAMCを適用することによリ，QPSKデーた変調に比較して平均コードチャネル使用率を約40%低減できることを示した（最大ドップラ周波数f{sub}D＝20Hzのエ＝6パスレイリーフエージングチャネル）．また，L＝3以上で平均PLR＝10{sup}(-3)以下を満たす平均受信E{sub}s/N{sub}0が3dB以上の領域ではパス数が増大するにしたがって，瞬時受信電力の分散が小さくなるため，必要な平均コードチャネル数が低減できることを示した．さらに，f{sub}Dが増大するほど，AMCにおける変調·符号化率（MCS: Modulation and channel Coding Scheme）の選択誤りが増大するため，再送回数が増大し，一例として，平均受信E{sub}s／N{sub}0＝約3dBにおいてf{sub}D＝400Hzの場合，f{sub}D= 20Hzのときに比較して，必要な平均コードチャネル数が約15％増大することを示した．