圧縮試験による木材のヤング率とポアソン比の測定

摘要

木材のせh断弾性率の測定には，純粋なせh断応力場を作り出すのが難しいために，いろいろな方法が検討されているが，問題点も残されている．先端複会材料分野で発展したIosipescu法は比較的純粋なせh断応力場を作り出すとされる．また近年では画像を使った方法として，JISいす型試験梁の3点曲げ試験，Iospescu試験などが試みられている．いずれの試験も特殊な治具，器機が必要なものが多く，広く一般に採用されるには障害となる．最も簡単な試験としては圧縮試験がある．同一個体から採取した連続試験体を使って2つの直交する方向とその中間方向に圧縮することにより，せh断弾性率を得ることが可能である．圧縮試験では，治具接触部の影響のために試験体中央部でのひずみ測定が必要で，ひずみゲージなどが使用される．ひずみゲージは比較的汎用性が高いため，容易に実験が可能である．本研究ではパステルナーク·モデルへの適用を前提としてせh断弾性率を得るために，木材の圧縮試験よりヤング率およびポアソン比を求め，試験方法の検証を行った．