盛土荷重下の杭式改良地盤の内部安定性に関する遠心模型実験

摘要

杭式深層混合処理地盤は盛土や比較的軽量な構造物の基礎地盤の改良などに多く用いられている．杭式改良地盤の現行設計法では，外部安定および内部安定の検討を行っており，内部安定性においては円弧すべり解析によって改良杭自体の安定性を検討している(Fig.1)．杭式改良地盤の挙動については，これまで多くの研究機閑で実験的に研究がなされており，改良杭は地盤条件や外力条件だけでなく各改良杭の位置に応じて，せh断破壊，曲げ破壊や引張り破壊することが分かっている．しかしながら，現行設計法では破壊モードとしてせh断破壊のみを想定している．安定処理土の曲げ強度や引張り強度は圧縮強度に比べて小さいため，現行設計法は改良地盤の内部安定性を過大評価している可能性が高いと思われる．そこで，本研究では盛土荷重下の杭式改良地盤の内部安定性に着目し，改良地盤の改良幅および改良杭の強度を変化させた遠心模型実験を行った．また，実験で得られた改良杭の破壊パターンを基に簡単な安定計算法を提案し，その妥当性を示すとともに改良地盤の破壊メカニズムについて検討した．