IUTAM Symposium on Mesoscopic Dynamics in Fracture Process and Materials Strength を開催して

摘要

平成15年7月6日から11日まで，千里万博公園内のホテルオオサカサンパレスにて，標記の国際会議を大阪大学大学院工学研究科知能·機能創成工学専攻の北川浩教授と主催した，この会議は，世界的に最も知名度の高い応用力学に関する国際会議で，オリンピックイヤーに開催される大規模な国際会議（ICTAM）と，IUTAMビューロト＋といわれる運営組織において厳選されたテーマに関してのみ不定期に開催されるシンポジウムがある．今回開催された会議は，後者に位置付けされる。 近年固体力学の分野ではj対象とする構造物自身のダウンサイジングや材料に生じる変形挙動の高分解能化の強い要請がある∴そのため，従来の連続体力学をベースにしたマクロな視点から,材料科学や物理学の分野と密接に関連する原子·電子レベルでのミクロな視点へと大きく移行している．しかしながら，機械工学の中核の一つを担う固体力学の分野では，最終目標の「ものづくり」を絶えず意識する必要があり，いくらミクロな場の探求が進hでも，設計が施されるマクロ場への双方向の連結（シンセシス）が必要不可欠である．この概念のもとで、この会議の主題の"ーつでもあるマルチスケールモデリング，あるいは会議名にも入れられているその中間場であるメゾスケールでの新たな力学の確立が最重要課題である．