圧縮混合モード荷重下におけるぜい仲村料のき裂進展挙動

摘要

本研究では，混合モード下にあるき裂進展挙動を把握するために，セメントペ｝ストを剛いた円盤型供試体にょる圧縮実験の結果とE積分によるエネルギ解放率の解析結果を比較検討した。 その結果明らかとなったことは以下のとおりである。 （1）本研究で行った実験条件では，初期き裂先端から1次き裂が発生し，その後2次き裂が生じる。 このことは高速度ビデオカメラの映像を画像処理することによって確認した。 （2）画像解析からき裂進展挙動を確認するには差画像を取ることがよい。 （3）実験による最大荷重は戟荷角度に対して極小値を持つ。 すなわち，摩樺係数によって異なるがき裂面に対して戟荷角度が30から50のときが最大荷重値が小さく初期き裂が進展しやすい。 このことはエネルギ解放率の解析結果が戟荷角度に対して極大値を持つことで破壊力学的に－も説明できた。 （4）き裂折れ曲がり角度の測定値は，エネルギ解放率による解析結果と概ね一致する。 　 ぜい性材料中に初期き裂を挿入することはかなり困難である。 本研究で実験に掛いたセメントペーストは練り混ぜ直後は流動体で初期き裂となるPETを挿入しやすく，硬化するまでにある程度の時間がありその間にPElの位置の修正が行なえ，硬化後はぜい性的な性質を示す。 　 しかし，セメントペーストでは，金属などのように疲労き裂によって真のき裂をつくることが難しい。 将来より厳密な試験を行なうことを今後の課建としたい。 　 本研究を行なうにあたり，高速度ビデオカメラを貸していただいた福井県工業技術センター関係各位に衷心より感謝し，厚く御礼するしだいである。