氷温貯蔵法とその特徴：0°C以下の末凍結の温度領域で貯蔵し、もぎたての風味や味覚を保持する

摘要

氷温は、ある研究過程での一つの大失敗から見出された。 その研究とは、鳥取県を代表する特産品である二十世紀ナシを長期間保存し、出荷時期を調整することで、いかに価格競争力を高めるかという研究である。 大気のガス組成および濃度を調整し（CA貯蔵）、プラス四°Cで貯蔵試験を行っていたところ、冷蔵庫が政障し、マイナス四°Cまで厚内温度が降下してしまったのである。冷蔵庫を開けてみると、ナシはすべて透き通っており、凍結状態を示していた。 ところが、そのナシを常温に数日間放置したところ、果皮色、味覚、風味ともに健全果実として復元したのである。