秋播き春どり栽培の病害虫防除技術

摘要

わが国におけるタマネギ生産は、北海道を中心とした春播き秋どり栽培と西南暖地を中心にした秋播き春どり栽培に分けられる。北海道における栽培は畑作での越夏栽培であるため、ネギアザミウマなどの害虫の発生も多く、病害では乾腐病、紅色取腐病などの畑作病害を中心にして、灰色腐敗病や白斑菜枯病などの空気伝染性病害、軟腐病などの細菌性病害が発生する。一方、西南暖地では越冬栽培ということもあり、ネギアザミウマの発生は4月以降の収穫期のみの発生となっている。病害では、畑作においては近年累腐菌核痛が増加しているが、本病は湛水により菌核が死滅するため、水田後作での発生はごくわずかである。貯蔵タマネギの多い産地では灰色腐敗痛が多く、近年は腐敗病などの細菌性病害も増加している。また、べと病も増加傾向にある病害である。