ポットハボタンの3本仕立て技術

摘要

アブラナ科の植物であるハボタン（Brassica oleracea L. Acephala Group）は、「葉牡丹」という名前が示すように、着色した菜をボタンの花に見立てて観賞する園芸植物であり、寒さに強く、日本の冬に彩りを添える重要な品目の一つである。　これまで、大株の地掘りハボタンが栽培され、正月用の寄せ植え材料として、広く普及してきた。さらに、切り花用品種が育成され、また、ポット栽培によるコンパクトなミニハボタンが生産されるなど、多様な用途で利用されている。　近年、ポットハボタンの新規品目として摘心により3本以上の側枝を伸長させる「おどり仕立て」のポットハボタン（図1）が流通してきている。3本の側杖を有し、草丈15～20Cmとコンパクトに仕立てた草姿は舞妓の踊る姿を想わせ、和の趣を有する品目として、今後の需要が期待される。しかし、既存品種をポット栽培し、摘心を行った場合には、側杖数が3本以上となる割合はおよそ1割程度と非常に低く、問題となっているが、3本以上の側枝を確保する生産技術についての知見はほとhどない。そこで、ポットハボタンの3本位立て技術の開発を目的として、播種時期、摘心時期、摘心時の摘菜処理法および品種が草姿に及ぼす影響について検討した。