長野県で問題となる日本ナシの病害 -発生生態と防除対策-

摘要

近年、長野県で問題となっている日本ナシ病害の発生生態と防除対策について紹介する。現在、黒星病は長野県の日本ナシ栽培においてもつとも重要な病害となっている。多発する主な要因は、①県内の主要品種である「幸水」が本病に対して特に弱く、栽培地域全体の菌密度を押し上げていること、②重要防除時期である開花期が天候不順で、適期に防除を実施できない場合があること、③これまで本病の特効薬として使用されてきたDMI剤の防除効果の低下が確認されていること、などが挙げられる。