省力収穫適性の 品種間差異の解明と指標化

摘要

近年、生産者の高齢化と後継者不足が進み、生産管理の省力.軽労化が求められている。生産管理のうちもっとも労働時間が長い作業は収穫調整作業である。省力的収穫技術のひとつとして、引きもぎ収穫があげられる。引きもぎ収穫はハサミを使わず手で果実をもぎ取る収穫方法である。引きもぎ収穫はハサミ収穫と比較して作業時間が約半分となる。引きもぎ収穫は品種のよつて適性があるものと適性が低いものがある。適性が高いものはへタと果実の間に離層が形成しやすいものであり、ブンタン類やオレンジ類に多い。適性が低いものはへタと果実の間に離層が形成されにくく、果皮が柔らかい温州ミカンなどがあげられる。近年、「かhきつ中間母本農6号(農6)」の引きもぎ収穫特性の高さが注目されている。果梗部を支点に果実を横にしながらの引きもぎ収穫は容易かつ短時間で、果実をほとhど損傷することなく収穫が可能であることが明らかになつている。引きもぎ収穫については一九六〇-一九八〇年代に研究されて以降、知見が少ないことから、近年育成された品種を含めたさまざまな品種における引きもぎ収穫特定を明らかにすることを本研究の目的とした。