今年度前半の販売状況と今後の生産対応

摘要

平成二四年産の温州ミカンは、隔年結果の裏年で生産量は前年を下回ると予想されているが、極早生温州の九.一〇月の販売実績をみると入荷数量が前年産より多めで、九月下旬以降の卸売価格は前年比の八〇％程度と低迷し、一〇月下旬には三年ぶりの「緊急需給調整特別対策事業」が発動された(表1)。これによつて商品性の低い2S以下(2L以上)や低品位な果実が市場隔離されて加工原料に仕向けられたことから、その後は市場価格が回復して、現在は一昨年の裏年に近い価格水準で推移している(図1).