ォランザピン口腔内崩壊錠により在宅緩和ケアが可能となった胃癌術後癌性腹膜炎の1例

摘要

症例は30歳台，男性。2009年5月，胃癌術後癌性腹膜炎に伴う高度な釅気と腹部膨満感を主訴に，当院緩和ケア外来 を受診した。オタトレォチド酢酸塩の持続皮下投与を開始して腹部膨満感は改善したが，暱気はメトク口プラミドおよびド ンぺリドンの追加投与でも改善しなかった。このため，オランザピン口腔内崩壊錠（olanzapine orally disintegrating tablet: OLZ-ODT)10mgX1日2回の投与を行ったところ，喱気は改善傾向が認められた。症状緩和に伴い在宅緩和ケアへ移行後， 釅気改善を理由にOLZ-ODTを自己中断したところ，釅気の増悪を認めた。投与再開に伴い嘔気は再度改善し，その後増悪 なく約2か月半の在宅療養が可能であった。良好な驅気のコントロールは，より質の高い療養につながる。OLZ-ODTは癌 性腹膜炎に伴う暱気の改善に有用な薬剤であり，在宅鍰和ケアの普及にも重要な薬剤と思われる。