診断学に関する進歩

摘要

乳癌の診断学の進歩は乳癌治療戦略の変化をもたらす。現在，乳癌死亡率は欧米において減少傾向にある理由として，より早期癌の発見が可能になったことは重要であり，また乳癌の特性診断および適切な治療の普及にょるものと考えられる。 乳癌の診断は従来形態診断が主であり，現在も各種診断機器の改善やPETの導入などによりさらなる早期診断，正確な病巣の把握が可能となってきている。 一方，近年プロテオミクスによる新規バイオマーカーの同定や，末梢血液中の腫瘍細胞（CTC）のカウントが実現化され，分子診断学の進歩および臨床応用がめざましい。本稿では近年の画像診断学および分子診断学の最近のトピックスと今後の展望を検討する。