Vinorelbine短時間点滴静注法による静脈炎の予防効果の検討

摘要

vinorelbineは非小細胞肺癌や乳癌などの固形腫瘍の治療に用いられ，良好な治療成績が報告されている。Vinorelbineは静脈炎を起こしやすいことが知られており，その予防として，投与時間を5分以内に短縮することでその発現頻度が約5％に低下したとする報告がある。しかし，それらの多くは静注による投与であり，点滴静注で5分以内に投与したとする報告はみられない。そこで，静注よりも簡便で汎用性の高い点滴静注で，5分以内に投与した際の静脈炎の予防効果の検討虜行った。 乳癌または非小細胞肺癌患者を対象とし，6名の患者に35回vinorelbineの投与を行った。 投与時間は平均3分59秒±22軌　 静脈炎の発現頻度は5"7％であった。 われわれの行った点滴静注による投与方法でも，静注による投与とほぼ同等の静脈炎予防効果が得られ，静脈炎以外の副作用についても大きな違いはなかった。 今回の検討に用いた投与力法は，点滴静注でもvinorら1bineによる静脈炎を十分に予防可能であり，静注に比べて簡便であることから，多忙である医師や看護師の業務軽減にも有用な投与法になり得ると考えられた。