Ⅱ.免疫チェックポイント阻害薬による副作用の現状と展望

摘要

近年，進行癌に対する治療法として急激に拡大したCTLA-4阻害薬，PD-1もしくはPD-L1阻害薬といつ た免疫チェックポイント阻害薬を用いた治療は，がh免 疫システムの賦活化により抗がh作用を示すため，その 副作用も従来の抗がh剤とは異なり免疫システムを介し た自己免疫性疾患類似病態を示す。免疫チェックポイン ト阻害薬により引き起こされた免疫関連有害事象（ir AE)は全身のあらゆる臓器に出現する可能性があり，多 くの場合軽度であるが重篤化しやすいirAEも存在し， 早期の発見と必要に応じた専門医と連携した早急な対応 が重要である。