CPT-11療法中に間質性肺炎を発症し死亡に至った直腸癌局所再発の1例

摘要

症例は60歳，男性。直腸癌，膀胱浸潤に対して骨盤内臓全搞術を施行した。術後補助療法としてS-l/protein-bound polysaccharide Kureha (PSK)内服した。術後4か月に局所再発し，FOLFIRI療法，続いてmF0LF0X6療法を施行した。oxaliplatinによる末梢神経障害が強く， mF0LF0X6療法からCPT-11B法に変更した。3回投与後に労作時息切れ，左前胸部痛が出現し，精査によりCPT-11による間質性肺炎と診断した。症状は軽度であったため原因薬剤の中止で経過観察とした力症状改善が不十分であったためprednisolone (PSL) 0.5mg/kg/day (35mg/day)内服開始とした。いったh症状は軽快したが，その後再増悪したため入院とし，酸素投与とステロイドパルス療法を施行したが呼吸不全で死亡した。CPT-11 による薬剤性肺炎は0.9%と低頻度であるが，発症すると死亡する可能性のある合併症であることを常に念頭におき治療する必要がめる。