(S217)低合金鋼のオーステナイト逆変態挙動に及ぼす炭化物の影響 （低合金鋼のオーステナイト逆変態機構に関する研究（1））

摘要

強靱性が要求される機械構造部品は, その製造工程で焼入れ焼戻しを行う低合金鋼が使用されることが多い. このような製品の力学的性質や超音波探傷における透過度の改善には, 結晶粒を小さくすることが有効であることが知られている. 結晶粒細粒化の手段として, 逆変態(フェライト(α)からオーステナイト(γ)への相変態)は工業的にしばしば利用されるが, マルテンサイトやベイナイト組織からγ逆変態する場合には, γ→α変態前と同じ大きさのγ粒に戻る“γメモリー現象”が観察されることがある.