接着接合板における特異応力の強さを用いた剥離強度簡易評価法の検討 （第2 報 実験結果の考察）(S026_1)

摘要

接着層の厚さと接着強度の関係は過去の研究により，接着層厚さが薄いほど接着強度は増大するといわれている．その理由は，接着強度を増加させようと多量の接着剤を用いて厚い接着剤層を形成させて接着しても，接着剤層内に欠陥が形成される可能性が大きくなるためと説明されている．これらの研究では，主として実験により考察されている．Suzuki は，接着面が矩形の長方形試験片を用いて，実験により接着接合板が破壊に至る際の引張り強度と接着層厚さの関係を明らかにした1)．本研究では，接着接合板が破壊に至る際の特異応力場の強さKs に注目し，過去の研究結果1)がK? ? 一定の条件で整理できるか否かを検討する．また，界面端に特異応力が生じることから，端部に微小なき裂を有する部分剥離モデルも仮定して，その界面き裂の応力拡大係数KⅠ が一定条件で接着強度が整理できるか否かを検討する．