Ni 融体の垂直分光放射率，熱容量および熱伝導率の非接触測定(S012_2)

摘要

航空機のジェットエンジンや原子炉などに用いられるタービンブレードはNi 基合金を鋳造し製造されている．このNi 基合金鋳造プロセスを理解し，より高品質なタービンブレードを作製するために，数値シミュレーションによる研究がなされている．この数値シミュレーションの高精度化には正確な溶融Ni 基合金の熱物性値が必要である．我々の研究室で開発した非接触レーザー周期加熱カロリメトリー1) により，容器との反応と融体内の対流を抑えた高精度の高温融体熱物性測定が可能となった．この測定法では，熱容量を求める際，加熱レーザーの吸収係数，すなわち分光放射率の値が必要となるため，予め分光放射率の値を測定しておく必要がある．本研究では，まず，電磁浮遊させ，5 T の静磁場印加により振動を抑制したNi 融体に対する分光放射率測定を行った．この結果より得られた分光放射率を基にNi 融体に対する非接触レーザー周期加熱カロリメトリーを行い，Ni 融体の熱容量および熱伝導率を求めた．