溶融アルミニウム合金めっき用Al–Mg–Si 合金の凝固組織に及ぼす鉄含有の影響(S032_1)

摘要

溶融亜鉛および亜鉛合金めっきによる表面処理鋼板は，その高機能性や高生産性から広く用いられている。しかしながら，めっきに使用される亜鉛は今後，希少資源となることが予測されるため，豊富で無害な金属による代替が求められる。代替材料としては，Al–Mg_2Si 擬２元共晶組成を中心とする組成の合金が期待されている。本合金の凝固組織の把握は，めっき表面の金属組織が耐食性に影響を及ぼすことからも重要となる。Al–Mg–Si 系合金は鋳造?ダイカスト製品のほか，6000 系合金として知られる展伸材に用いられるが，これらの組成範囲外であるAl–Mg_2Si 擬２元共晶組成付近の凝固組織の研究は十分になされてはいない。そこで本研究では，鋳造組織からめっき層の凝固組織に及ぼす合金組成および冷却速度の影響を調べることを目的とした。また，溶融めっきにおいて不可避である鉄含有の影響についても検討した。