Ti-5Al-2Fe-3Mo 合金における引張変形中の相変態挙動

摘要

チタン合金の適用拡大に向けて、低コスト化や材料特性の高度化が求められており、これまでにβ安定化元素として 安価なFe を活用したTi-Al-Fe 系合金、さらに高強度なTi-Al-Fe-Mo 系合金が開発されている1),2)。この中でも、 Ti-5Al-2Fe-3Mo は、α+β高温領域で溶体化(ST)水冷(WQ)することにより、400～600MPa の低耐力?75～80GPa の低ヤ ング率、更に高い加工硬化により1250～1400MPa の引張強度を有していること、また、2 段階降伏の応力-歪(S-S)曲線 を示し、引張変形中に残留β相もしくは底心斜方晶マルテンサイト(α’’)相から六方晶マルテンサイト(α’)相へ応力誘起 変態することを前報で報告した3)。本報では、引張の途中止め試験を行い、応力誘起変態挙動について詳細に解析した。