鉄鉱石中のSi存在状態の解析

摘要

昨今の製鉄コストの削減や良質鉄鉱石の枯渇などの問題から、安価で劣質な鉄鉱石の利用拡大が図られている。さのため、これら鉄鉱石の特性を詳細に評価し、利用方法を最適化する必要が生じている。 なかでも、鉄鉱石に含まれる脈石成分の形態別の量を把握することは一つの重要な課題である。 しかし、鉄鉱石中の脈石成分の分析は従来ほとんどなされておらず、元素分析の結果からそれぞれ酸化物として見積もるなどの評価に留まっている。一方、これまでに粘土鉱物中の可溶性陽イオンが形態により水への溶出挙動が異なることが報告されているり。そこで本研究では、鉄鉱石についても同様の挙動を利用できると考え、水草に鉄鉱石中成分を選択的に溶出して分離することによる脈石成分の状態別分析を試みた。 ここでは、主要元素であるSiについて鉄鉱石中の存在状態の解析を検討した結果を報告する。