低窒素9Cr耐熱鋼の長時間クリープ強度低下

摘要

Nを低減した高Crフェライト系耐熱鋼に100ppm程度以上のBを添加すると658℃における長時間クリープ破断強度の低不が顕著に抑制され、0.08C-9Gr-3W-3Go-0.2V-0.05Nb-0.014B 鋼ではP92を遥かに凌ぐ高強度を示す。 Nを500ppm程度含有した従来の高Crフェライト系耐熱鋼では、高温長時間側におけるZ相析出に起因したMX炭窒化物の消失が不均一変形を助長し、長時間破断強度を急激に低下させるー因と考えられている。 しかし、Nを低減した本鋼ではZ相の析出はみられず、またMXの析出量もわずかであるため、従来鋼の長時間クリープ中の組織変化とは異なる。 本研究ではNを低減した高B添加9Cr-3Ww-3Go-V，Nb鋼の長時間クリープ特性に及ぼす析出物の影響について検討する。