自由バルジ変形挙動に基づく鋼管の材料特性評価方法（降伏応力とn値、r値の評価－2）

摘要

鋼管の単軸引張試験と自由バルジ試験を組み合わせて，降伏応力σ_Y，n値，r値を評価する方法を示した。本報告では，鋼管の材料特性として実用的な範囲でσ_Y，n値，r値を定め，それらを実験計画法により組合せた27条件の有限要素法解析を実施し，その有効性について検討した。 その結果，σ_Yについては1％，n値については2％，r値については8％以内の誤差で評価でき，鋼管の材料特性を評価する方法として有効であることが確認できた。 自由バルジ試験の比例限内圧は，鋼管の降伏条件を示しており，σ_Y，r値から定まる。 したがって，応力比を変えた3つの自由バルジ試験から評価できるはずであり，今後は自由バルジ試験のみで材料特性を定める方法について検討したい。 また，現在，参加している「鋼管の成形性評価試験に関する研究会」では，鋼管の引張試験や自由バルジ試験を実施しているので，それらの実験データから本評価方法により材料特性を精度良く推定できるかを検討したい。 最後に，研究会委員各位に貴重なご討論をいただいたことに感謝の意を表する次第である．