構造用鋼の延性き裂発生を支配する微視的損傷機構の解明

摘要

鋼材組織の複合化によるメゾレベルでの不均質を積極的に利用して，鋼材破壊特性を向上させるための組織制御指針を構築することに着目した。 延性破壊抵抗を制御あるいは向上させるための組織形態のあり方を明確にするためには，メゾレベル不均質を考慮した解析手法の開発が望まれるが，延性破壊を支配する損傷すなおち材料挙動が何かを明確にした上で，それを如何に損傷·破壊モデルに組み込むかが重要である。 そこで，本研究では,複合組織鋼（ここではフェライトーパーライト二相組織を有する鋼材）を取り上げ，延性き裂発生に支配的な材料損傷挙動を解明するための実験·観察を行った。