感染症にみられる免疫異常 後天性免疫不全症候群(acquired immunodeficiency syndrome: AIDS) AIDS指標疾患感染症 トキソプラズマ脳症

摘要

トキソプラズマ症(toxoplasma encephalitis:TE)は，潜伏感染したToxoplasma gondiiが,免疫不全を背景に再活性化することにより発症する.世界では人類の約1/3がトキソプラズマに感染しているとされるカ气国や地域により感染しているヒトの合は大きく異なっている.抗トキソプラズマIgG抗体の保有率は，先進国と比較して，途上国で高い割合を示す傾向がある.国内の抗トキソプラズマ抗体保有率の調査によると，若年成人の抗体保有率が2.7%であり，性が女性より抗体保有率が高く ，九州沖緦地方に保有率が高い傾向を認められたと報告されている.妊婦を対象とした抗体保有率の研究からは，10.1%との結果が得られ，齢とともに抗体保有率が上昇する傾向が認められた.ェチォピアで2013年に行われた調査では，抗体保有率は約65%と報告されている.