ベンゾジァゼピン系睡眠薬,非ベンゾジァゼピン系睡眠薬

摘要

睡眠障害には様々な病態が存在するが,最も多いものは不眠であり,その治療薬は睡眠薬が一般的である.睡眠薬はその化学構造や作用機序から,①バルビツール酸(barbiturate:BB)系,② ベンゾジ了ゼピン（benzodiazepine：BZ)系,③ 非BZ系の3種類に大別される.最も古いBB系睡眠薬は,中枢性呼吸抑制や依存形成すなわち耐性形成や退薬症候発現の問題があり,現在において不眠症治療薬として使用する意義はほとんどない.1960年代に睡眠薬として開発されたBZ系睡眠薬は,BB系睡眠薬と比較して,中枢性呼吸抑制や依存形成の問題を生じにくいことから,現在の睡眠薬の主流となっている.