切除不能進行·再発大腸癌における分子標的治療薬併用化学療法の問題点と課題

摘要

切除不能進行·再発大腸癌(以下，切除不能大腸癌)の化学療法は，irinotecan (CPT-11)やoxaliplatin (L-OHP)などの殺細胞薬に加え，抗VEGF抗体薬のbevacizumab,抗EGFR抗体薬のcetuximab, panitumumabといつた分ナ標的治療薬の登場で飛躍的に進歩した.また，世界的に新規薬剤の開発が足踏みしていることから海外とのdrug lagも解消された.一方，治療の選択肢の増加による臨床現場の混乱や高額な分子標的治療薬に伴う医療費増大など新たな課題も生じている.