プロテオーム解析システム2DICALを用いたバイオマーカ一開発

摘要

タンパク質は身体の大部分を構成し，代亂増 殖?分化，情報の伝達?制御といつた生体反応の 大半をつかさどつており，この総体であるプロテ オームを解析することの重要性は周知のものであ る.しかし，その解析の困難性?複雑性のためゲノム解析が先行されてきたが，2000年に入り技術の進歩とともにゲノム解析情報を利用したプロテ オーム解析が本格的に開始された.著者らはこの 黎明期に，質量分析計から産生されるプロテオ一 ム情報を医学?生物学の分野で直接応用できるシ ステムとして2DICAL(2Dimensional Image Converted Analysis 01 Liquid Chromatography and Mass Spectrometry)を開発し，完成させた". 2DICALは質量分析計で示されるすべてのピーク を解析対象とし，そのピーク強度をタンパク質量 の代表値としてとらえ，多数のサンプル間での同 一物質の定量比較を可能にしたものである.