難治性心不全診療における意思決定支援

摘要

2012年，アメリカ心臓協会(AHA)は末期心不 全患者の意思決定に関するstatementにおいて， 積極的なアドバンスケアプランニング（advance care planning ： ACP)を推奨した.ACPとは望 む治療と生き方を事前に対話するプロセスで，ァ ドバンスディレクティブ，生命維持の差し控えを 包含した概念(図1)であり，末期心不全患者の自 律性を尊重した質の高い終末期医療の実現におい て欠かせない意思決定支援である.本稿ではACP の概念と末期心不全患者におけるACPのアブ ローチについて紹介するとともに，実践から得ら れた知見を踏まえて望ましい実践と課題について考察する。