はじめに

摘要

目の前の苦しむ患者さん達を治す術を求めて，医療に携わる者は人間の歴史が始まって 以来，診断治療の基礎概念を構築し，方策を開発し，安全に患者の体に実施する，この努 力を続けてきた.循環器病学においてもこのプロセスは同一であり，「治せなかった患者を治す」，これが医学?医療の進歩の原点と思う.最近の10年間に世界的に注目される循環 器領域の流れで，Structural Heart Disease(SHD)への医療の進歩は，20世紀末までに「や り残してきた循環器治療」の総ざらいを行う一部ととらえることができる.そして，その 方法の発想はシンプルであり，開心術に比べ低侵襲でかつ安全を保障するのは医療を支え る材料科学とシステム機器の進歩，そしてComputer Technologyがもたらす画像診断に よる"観えないものの可視化"が果たす意義は大きい.これらを統合して多分野の専門職 が技術と知恵を集約して"ハートチーム"として治療を進める.