自己免疫疾患におけるMHC(HLA)クラスII分子のあらたな機能 自己抗体の標的分子としてのミスフォールド蛋白質/MHCクラスII複合体

摘要

MHCクラスIおよびクラスII分子は，T細胞にぺプチド抗原を提示することにより免疫系に中心的な役割を果たす.一般に，MHCクラスI分子はウィルス蛋白質など，細胞内で合成された蛋 白質由来のぺプチドを提示するのに対して， MHCクラスn分子は細胞外蛋白質(こ由来し—たべ プチドを提示する.MHCクラスI，クラスn分 子の立体構造解析からMHCクラスI分子のぺプチド結合部位の両端は狭くなつており，7-9アミノ酸程度の短いペプチドだけ力J提示される.一方，MHCクラスII分子のペプチド結合部位の両 端は広く開いているため，長いペプチドでも提示することができる.実際，MHCクラスIIに結合しているペプチドを溶出して調べると，長短さまざまな長さのペプチドがMHCクラスII分子から溶出される.