はじめに

摘要

ヒト白血球抗原(human leukocyte antigen ： HLA)と疾患感受性との顕著な関連が明確に明らかになった最初の例はおそらく，1973年に発表された強直性脊椎炎とHLA-B27であろう.この顕著な関 連はその後の多くの研究により:確立し，1990年にはヒトのHLA-B27を導入したトランスジヱニック ラットが脊椎関節炎様症状を発症することが報告され，分子機構の解明も近いと思われた.しかし， 現在に至るまで決定的な分子機構の解明には至っていない.その後，多くの疾患，とくに免疫関連疾患においてそれぞれ，HLAのさまざまなァリルとの関連が報告された.ナルコレプシ一など少数の例外を除き，その関連は上述のHLA-B27と強直性脊椎炎との関 連ほど顕著ではなく ，やはり分子機構の解明には至っていない.