肝癌とアポ卜一シス，そして才ー卜ファジー

摘要

アポトーシスとォートファジー は細胞死に関連した細胞応答であ り，それぞれ線虫，酵母をモデル とした遺伝的研究が展開したこと により，哺乳類細胞における意義 についても爆発的に研究が進んだ 領域である.アポトーシスは不必 要な細胞を除去するシステムとし て，またオートファジーは飢餓時 の生存システムとして，ともに臓 器や個体の恒常性の維持に必須の 生命現象である.アポト一シスと ォートフアジ一は肝癌の発生と進 展という過程のなかできわめて重 要な意義をもっており，また治療 的な視点からは諸刃の剣としての 二面'I生を有していることが明らか になりつつある.著者らの研究成 果も含め，この分野の最近の動向 について概説する.