バゾプレシンをめぐる基礎研究Update

摘要

下垂体後葉ホルモンとして知られるバゾプレシンは，1895年にゥシの下垂体から抽出された物質 に血圧上昇，血管収縮作用がみられたことから発 見されたこの生理作用から"vaso(血管）+ press(圧迫）+in (vasopressin)と命名されてい る.その後，腎での水の再吸収を行い，尿濃縮の 律速因子となることが明らかになり，抗利尿ホル モン（anti-diuretic hormone ： ADH)ともよばれ ている.バゾプレシンは9個のアミノ酸よりなる ペプチドホルモンである.もうひとつの下垂体後 葉ホルモンであるォキシトシンも9個のアミノ酸 よりなり，うち7個のアミノ酸はバゾプレシンと 共通である.ォキシトシンはその強い子宮収縮作 用から"oxy(早い)+tocin(出産）"(oxytocin)と命名された.